にこ「にこまき小説……?」
退屈な授業が終わった放課後。
教室を飛び出して早歩きで部室に向かう。
今日もすっかり日課になっちゃったアイドル研究に熱を注ぐの。
――前回のライブ以降、着実にμ'sの人気が高まっているのは間違いない。
みんなもそれなりに手応えを感じているように見えるし。
ふと気になったのは、それぞれのメンバーがどのくらい認知されているのかということ。
スクールアイドルは多くても、所属しているメンバーまで知っている人はかなり少ないの。
例えばAKB48のメンバーを何人知ってる?
もちろんにこは全員知ってるけど、一般的には10人知ってれば多い方ってところよね。
あまりいい例えじゃないけど……とにかく、スクールアイドルとして頑張っても個人として人気が出るのはとっても難しい事なの。
そうだ、メンバーの名前で検索してみよう。
少しだけ気が引けるけれど、これも部長としての立派な仕事なのよと言い聞かせながら自分の名前を検索してみる。
……まぁまぁってところね。
「ん……?」
ざっと上から下にスクロールしていると気になるタイトルを見つけた。
「にこまき小説……?」