劇場版 ラブライブ! The School Idol Movie 感想および考察【※ネタバレ注意※】
『劇場版 ラブライブ! The School Idol Movie』
見てきました。
ので、感想だったり、覚えていることを適当に書き出したりします。
「あー、そうだったなー」とか、「そうだっけ?」とか、思いながら随時更新したいと思います。
はじめにお願いしておきたいのですが、記憶力に自信もないため間違った内容等混在している可能性がとても高いです。間違いがあれば是非ご指摘ください。ブログのコメントでもツイッターでも構いません!
また、タイトルに付した通り、作品内容を含む記事のため、ネタバレが気になる方は視聴後にまた遊びに来てください。
1.ラブライブ! The School Idol Movieの位置付けについて
嘘偽り無く『ラブライブ! The School Idol Movie』の表題そのものであったと思います。
予告映像を見て、「最後の思い出に海外旅行でもするのか!」と思った人も多いですよね。
間違いなく、映画後半の秋葉原に舞台を戻した展開というのは意図的に隠されていたのだと思います。
この告知の手法は本編の予想をさせない意図だったり、規模の大きさを匂わせて興味を引こうとする意図だったりを含んでいると考えればしっくり来るとは思うのですが、正直なところ
「おい!アメリカからオファー来たぞ!行くぞお前ら!」→「気がついたらアメリカにいる」→「なんか謎のシンガーと出逢ったぞ!」→「ライブは明日だぞ!」→「歌った!」→「帰りの飛行機」
という余りに早過ぎる流れに驚きを隠せませんでした。
私が見つけられなかっただけかも知れないんですけど、Wonderful Rushを思わせるようなシーンがあったりしましたっけ?そういう小ネタの多さがラブライブ!の一つの魅力でもあると思うので、探してみたいところですよね。
それと同時に、この突拍子もない展開というのも、言ってみればラブライブ!の一つの魅力なのかなと解釈する他に無いかと思います。アメリカでは1年生の楽曲が挿入されていましたが、ミュージカルのように唐突に始まるので複数回見たいところです。最初は凛ちゃんのソロ曲なのかと思ってびっくりしました。
話を最初に戻しますが、この作品は徹底して「スクールアイドル」のための作品という方向で収まりました。
最後のLoveLive! school idol projectのロゴを見て、つつーっと涙が頬を伝った人は多いのかなと思います。始まりと終わりを印象付けたシーンでした。
始まりというのは、「ラブライブ!」を中心にこれから始まっていく新たなスクールアイドルたちを指し、終わりというのは、μ'sを始めとした去っていくスクールアイドルを指します。それと同時に、同タイトルのアニメーション作品の始まりと終わりでもあるのでしょう。
それは、「アニメ2期で解散を決めたμ'sがなんやかんやで復活する」という我々の希望を打ち砕く形でもあり、辛いものがある人も多くいるでしょう。
ここで、現実世界とのリンクについて、次の項で少し触れたいと思います。
2.アニメ作品「ラブライブ!」の現実世界とのリンク
この項で最初に触れるべきは「声優ユニットとしてのμ'sが終わりを迎えるか」というトピックだと思います。
私個人としては、6月13日の全国ライブビューイングで、ライブの告知がそろそろ来るのでは?と期待していました。内容は結局いつものニコ生みたいな感じだったので、面白かったですが拍子抜けという感じも否めませんでした。
結果がどうなるかはわかりませんが、現実的な問題として、声優ユニットとしてのμ'sも、次のライブで締め括るのが私は現状ではベターだと考えます。
その理由としては、南條愛乃さんの膝の調子が悪いといった身体面、年齢面の問題がまず大きいと思います。
また、今までメディアミックス展開を進めてきたラブライブ!だから、アニメとライブはまた別物であるという意見が多く見られますが、一つの企画から始まったものは、一つの地点をゴールとする方が美しいという見方も出来ます。
それに加え、「ラブライブ!サンシャイン」が始動したことも、μ'sの終わりを考えざるを得ない理由の一つですよね。
このサンシャインについては賛否両論あり、まだ詳しいところもあまりわかっていないため、今すぐに移っていくというのは難しいでしょう。これからの進展がやや駆け足になってくれば、時は近いのかなという気分になるかも知れません。
ところで、このサンシャインへの橋渡しを考えた時、今回の劇中でスクールアイドルを繋ぐ曲となった『SUNNY DAY SONG』はコンセプトとしてはぴったりですよね。
それぞれの楽曲の感想なんかは、また別の項で書こうかなと思います。
それでは、上記以外で現実世界とのリンクが感じられた印象深い場面を少しあげたいと思います。
☆花陽が凛に「遠くまで来ちゃったね」としみじみ話すシーン
このシーン、すごく好きです。海外に来たという物理的な遠さはもちろんのこと、『ラブライブ!という作品がここまで大きくなってしまった』という、久保ユリカさんの声なのだろうと解釈することも出来ます。全体的に駆け足だった前半(海外)パートにおいては、とても頭に残ったシーンでした。あのシーンを見て「りんぱな……」ってなってる奴、病気ですよ(病気です!!!)
☆帰国すると急激に人気が出ていたμ's
上記した三次元での作品の盛り上がりを二次元に反映したような印象を受けました。ニコ生等においてキャストが話しているように、純粋な喜びもあれば不安や驚きも大きかったんですよね。
どうでもいいんですけど、作品内で海未ちゃんは泣いていましたけど、三森すずこさんは絶対泣かないと思います。
☆ドーム公演について
次のライブがドーム公演になる、という期待を持っている視聴者は多いと思います。
さいたまスーパーアリーナの次のステージ、を考えると、収容人数のさらに多いドーム開催になるのではないか、という期待でしょう。
恐らく、スタッフもさいたまスーパーアリーナより小さい箱を用意することは出来ないと考えているはずなので、次のライブはドームという意見も自然です。
しかし、ちょっとここで最悪の場合を想定してみませんか?
作品内で「結局ドームでのライブが開催されたのか?」という点は曖昧になったまま終わりました。
しかも、μ'sのラストライブは、「本当に行われたのか?」が怪しい導入だったように思えます。SUNNY DAY SONGは間違いなく、あの日あの場所で行われたでしょう。しかし、ラストライブについては本当によくわからない。
つまり、最悪の場合「私たちが“ある”と聞かされている次のライブ自体が無い」という可能性もある、という解釈です。
とはいえ、「μ'sが終わることをちゃんと周りに言わなきゃ」というストーリー展開が用意されていた以上、音沙汰なしのサイレント解散なんてものは許されないと思います。何らかのライブ以外の形で終わりを告げるならまだしも――。
とまぁ少し不安を煽ってみたのですが、5thライブで「次のライブはありまぁす!」と告知が出ているので普通にあります。「メンバーにアクシデントがあったからライブには参加しない」という1期後半のような展開が無ければ、あります!!!
さて、このように「夢と現実」が曖昧になっていて、そこに「二次元と三次元のμ's」が交わることでより一層の夢うつつを感じてしまうわけですが、そのテーマでもうひとつ語らなければいけないことがあります。
そうです、「謎のシンガー」についてです。
これについて、次の項でささっと書いていきましょう。
3.謎のシンガーについて
バーローだこれ!!!!!!!!!!!!!!!!
ってなったのは私だけじゃありませんね。
アメリカで偶然出逢った謎のシンガー。
むしろ、この謎のシンガーと出逢ったことがライブをやったことよりも重要な意味を持っていたのでは?と思うくらいでした。
結局彼女は何者だったのでしょうか?
☆謎のシンガーは未来の穂乃果説その1
「跳べるよ、あの頃のように」
といった感じのセリフから、未来の穂乃果がアドバイスに舞い降りたことが予想できます。天気を変えられる彼女ですから、未来の自分を見ることもきっと出来るのでしょう。
すぐ傍に荷物を立てかけているのに「あれ、荷物忘れた!?」と言い出すあたりは穂乃果と似たものを感じましたしね。
マイクに関しては、敢えて置いていったのか、本当に受け取り忘れただけなのか定かでないですが、前者の方がかっこはつきます。
ただ、そのマイク、ちゃんと画面に抜いて強調したにも関わらず、のちの伏線として効果を発揮する場面がなかったような気がします。
後のライブで用いていたりとか、そういう表現ありましたっけ?
家にマイクが存在しているという描写がありましたが、さすがに未来の自分から形あるものを受け取るという能力はすごいですよね。
ところで、この説に沿うと、穂乃果って英語で歌えるようになるんですね。って思っちゃうんですけど、もしかしたら歌詞カードは全部ひらがなかも知れないですよね。
☆謎のシンガーは未来の穂乃果説その2
こちらでは、「もしμ'sをこのまま続けていたら」のIF世界での未来の穂乃果が警鐘を鳴らしに来たという説です。
これに関しては、もしそうであるならば、未来の穂乃果は何を思ってアメリカで歌い続けるのか……何故μ'sは結局バラバラになってしまったのか……という不安要素ばかりが増えてしまうので、出来る限り考えたくは無い選択肢ですよね。どんな気持ちで「跳べるよ」と言いに来たんだよ、自分は跳べなかったのに。ってなっちゃいますもんね。辛すぎる。でも、穂乃果が跳んだ時、謎のシンガーは水溜まりの手前側に、いたんだよな…………。
☆謎のシンガーは本当に偶然出逢ったシンガー説
現実的に考えると、実体のある人間であるはずなので、こちらについても考えていきましょう。
初対面でのアドバイスなんかは、人生の先輩としてのアドバイスとしてはわりと無難で、現実味を帯びていると思うんですよね。日本で再会したのも、まぁμ's効果で外国から来日したと考えれば、あの狭い範囲内で出くわす可能性というのはあるかなと思います。
ただ、辺り一面お花畑になって水たまりを飛び越えようとするシーン。お前はダメだ。
なんなんだあの固有結界みたいなやつは……あれは確実に現実ではない……。
もしあるとすれば、それまでのアドバイスを基にして穂乃果が作り出した脳内のビジョンです。しかし、それならば謎のシンガーでは無く、もっと身近な母親であったり、μ'sの他のメンバーでも良いのではないか、という気がしてならないですよね。
ということで、恐らく謎のシンガーは穂乃果の未来の姿なのでしょう。
なんか、歌以外では結婚するくらいしか飯食えそうにない女だったな……
ちなみに、彼女と出逢ったきっかけである「穂乃果だけが8人と逆方向の電車に滑り込み迷子になってしまう」というシーン。このシーンが穂乃果が「9人で決めたこと」に対して戸惑っていること……すなわち「μ'sをやっぱり続けるべき」という方向に流れていくことを暗喩しているのでしょう。自分の足ではなく、電車という乗り物が勝手に連れて行ってくれるところにも、どちらにも動き出せないという心情が現れているのでしょう。
4.挿入歌の感想
☆『Hello,星を数えて』
1年生の曲。待ちに待った学年別楽曲ですね。2年生以外では初めてだということ、少し意外に感じる方もいるかも知れませんね。(2期CDのジャケットは学年別だったりしたからかも?)
楽しそうな凛ちゃんと、ミュージカルにありがちな動きをアメリカを舞台に繰り広げた後に広場で謎の踊りをする3人。
唐突に始まったことや、凛ちゃんが目まぐるしく動きながら歌い始めるシーンが長かったため、最初はソロ曲なのかと思ったこともあり、「よくわかんねえよ!!!」と思っている間に広場で謎のポーズ決めてた。
次見る機会には準備をしてきちんと見ておきたい一曲でした。
劇中で最初のPVだったため、「おぉ……でかいスクリーンで……踊る…………」ってなっちゃう部分もありましたしね。
凛ちゃんがにゃんにゃんしてるシーンは、心が持って行かれそうになるので注意です。
ちなみに、2期5話の星空凛回と思い出しながら見るのが良いかも知れません。Love wing bellの「明日はどんな私?」よりも、「どうしようかな?」と能動的になっている部分は、成長だと解釈することが出来るのだと思います。
☆『Angelic Angel』
告知CMにもなっているあの曲です。劇場版では6曲(μ'sの曲のみで数えて)あるうちの2曲目なので、かなり早い段階での登場です。予告だけだと、これが終盤に来るんだろうなと思っていたんですけどね……謎の外国推し、今思うと腹が立ってきますね!!!!!
なんとこの曲、6月13日、14日に秋葉原のスクリーンでフルバージョンが公開されています。
この曲は、やはり気合の入った衣装、扇子の残像にまで気合の入ったパフォーマンス、サビへの入り方のかっこよさ。絢瀬絵里の表情。これらに尽きます。
他には、凛ちゃんの腋だったり、海未ちゃんのキメポーズや投げキッスだったり。たくさん見どころがあります。
おじさんは、女の子の口が隠れている仕草も好きだ……広義のマスクだ…………。
あとは、この曲のパフォーマンスはみんなが楽しそうに踊っている(当然といえば当然)のですが、その後の話の展開では、この「楽しい」を見失いかけることになるので、そういった意味でも後から蘇ってくるものはあります。
しかしながら、とても良い箇所が多かっただけに「明日ライブやぞ、はよ寝るべw」→「終わった~」の流れが早すぎて「ちょっと待ってくれ~~~」感が強かったのは残念です。ここがニコニコ動画だったら本編が早すぎて0:00にコメントが密集する事態になってたところだぞ。
ところで、背景が時折変化することには何の意味があるんでしょうね。やはりこれが夢か現実か曖昧にする狙いがあったりするのでしょうか。
☆『?←HEARTBEAT』
3年生の曲。こちらも待ちに待った3年生だけの曲です。
この3人で歌う曲、どんな曲になるのか想像すると結局矢澤にこの無茶苦茶に二人がつきあわされるような形になるだろうと前々から言い続けてきたのですが、概ねその通りといった印象を受けました。
とはいえ、にこが暴走しすぎているというよりは、逃走劇のようなシーンで始まるミュージカルなのでぶっ飛んでいるといった感じで、絵里も希もすごく楽しそうでとても良かったです。
とりあえず言わなきゃいけないのは、アニメ1期でサングラスとマスクを装備するμ'sのシーンを見ているので、サングラスをかけ始めた瞬間に「マスクか~~~~~~~!?!?!?」ってなったということです。これだけ報告しておきたいです。結論としては、(出てこ)ないです。
でもこのおふざけみたいな曲(褒め言葉)の中で、矢澤一家がテレビの中に2期4話のような衣装をきたにこを見て、そこから3人でひらひらの衣装を着て踊るシーンがあったと思うんですけど、あそこは何度思い出しても感動的です。あそこは優しい世界だった……。逃走劇の末に矢澤家へと逃げこんできたという自然なストーリーからの繋がりも完璧でしたし、2期4話を何度も見なおしてからもう一度見たい一曲です。きっと矢澤虎太郎くんも、もう彼女たちのことを「バックダンサー」とは言わなくなるのでしょう……。
ちなみに、この曲も1年生曲と同様に、「これからさぁどうしよう?」と終わります。こちらは「明日」とは言っていないので、自分の将来の事だったり、μ'sのこれからを思う気持ちだったりが1年生より強く現れているのかなと感じられました。
☆『Future style』
2年生の曲。
今まで、1年生と3年生の曲の締めくくりは「これからどうしよう?」という終わり方でありましたが、この曲の締めくくりは「最高の夢を形にする時だと声が聞こえる」といったものでした。
これは恐らく謎のシンガーの話ともつながってくるのでしょう。また、この作品の予告で出てきた「最高のライブ」というものにもつながってくるはずです。2年生から動き始めたμ's。やはり舵を取っていくのはこの3人ということでしょう。
曲としては、サビの入り方、サビの歌い出しがめちゃくちゃかっこいいんですよね。これからやってやるんだという力強さ、そういったものを感じる一曲でした。
☆『SUNNY DAY SONG』
「みんながひとつになる」ために作られた曲。実際に、スクールアイドルではない雪穂や亜里沙、神モブのひふみ、「ママライブ」のみなさん。ヘリコプターに乗っているハイテンション司会おばさん(2期6話に出演)などなど、オールスターという感じでした。全国からありえないほどの人数の人が集まっていました。その中にはA-RISEも。(この曲はA-RISEの綺羅ツバサの意見を汲んで作ったものと言える)
このみんなの曲を作っていくという描写は、「ミはμ'sicのミ」が生まれた三次元における雑誌企画とリンクしていると見ることも出来ますね。(とはいえ直接的な協力はA-RISEだけですが)
めちゃくちゃ人数が集まり、恐らくA-RISEが先導するサプライズ的な形でμ'sに華を持たせるようなフォーメーションをとっていましたね。「バックダンサーのために集まってきたアイドル」と捉える人もいるかも知れませんが、私は、あれが「スクールアイドル」が出した一つの答えであると解釈しています。
とはいえ、せめてA-RISEだけでも合唱パートがあればよかったなぁと思います。歌って欲しかった。
あと、前述(といってもかなり前ですが)した「ラブライブ!サンシャインへの橋渡し」という可能性も考えられるような曲のタイトル、歌詞、披露される位置付けであったと思います。そのため、大勢いるキャラクターの中にサンシャインのキャラクターがいないか探したりしてみると面白いかも知れません。私はサンシャインのキャラクターよく覚えてなかったのでわかりませんでした……。
あとは、A-RISE以外の名前のついているスクールアイドルがいるかどうかですね。私は見つけられませんでした。
三次元でこの曲を披露するライブが来た時、全員で踊れるような会場とか無いんですかね……休憩時間に座席撤去して最後はみんなでぼらららとさにでい踊って締め、みんなの夢が叶いました!みたいなやつ……それはそれで、おもしろいかなぁって思うんですよね……。
☆『僕たちはひとつの光』
最後の曲。
この曲の特徴は、「全員の名前を想起させるフレーズが歌詞に組み込まれていること」、「すぐ前のSUNNY DAY SONGと対照的に9人の閉鎖された空間でのパフォーマンス」といった点です。
COLORFUL VOICEで全員の色が入っていたのと同じ要領で、全員の名前が入っています。
とはいえ、「時間を真姫戻す」みたいな使い方をしているのに、凛ちゃんは「星空」と苗字が採用されたり、絵里に至っては「絵」というかかりかたなのが面白かったです。海未ちゃんがこんなのを書き貯めていたと思うと……つ、つらい。
そして、この曲が9人の最後を象徴するような静かな閉鎖された空間でのパフォーマンスだったことが印象深いです。(サイリウムの光とかがもしかしたら入っていたかも知れないけれど覚えていない)
ステージも花が開いたようなよくわからない感じだったので、幻想的な感じもしました。そのため、このライブが本当に開催されているのか、夢の中だけで完結されていないのか、というところに少し不安を感じています。
印象的だったのは、9人が肩を組む円陣を作っていた(ような記憶がある)ことです。本当に最後なんだと自覚すると、自然とああいう形になるのかなとしみじみしました。円陣というのも、パフォーマンスではなく自分たちだけで完結するものであるから、より一層この楽曲が9人だけの空間を強いものにしているのかなと思いました。
曲については、「ことりのつばさがついに大きくなって旅立ちの日だよ」みたいな歌詞が、μ'sのはじまりの曲であるSTART:DASHの「産毛のことりたちもいつか空に羽ばたく」からのゴールなんだなと思うと「よくやったなぁ」という気持ちになれました。じーんときますよね。
ただ、海未が作詞しているはずですが、サビの度に「海」という単語が連発されるのは、本人的に恥ずかしかったりしないのかな、歌ってるときに「あっ!」ってならないのかな、って思いました。楽しい。
最後のフレーズも「光を追いかけて来たんだよ」といったもので、「輝きを待ってた」だけの海未ちゃんが、彼女たちが、自信を持ってここまで言えるようになったんだなぁと思うとすごく良いですよね。
タイトルから察するに、彼女は「光」になったということなので、「光を追いかけてきた」という過去形の主張は正しいわけですが、私たちとすれば、「これから何を追いかけていくのか」というところに目がいってしまいますよね。9人がそれぞれの人生を歩むのだから、ひとつの光になった、その後というのは、作品内では敢えて一つも提示されることが無かったわけですから、私たちそれぞれが考えていくしかないということなのでしょう……。
この曲の最後でしたっけ、羽根が降ってるけれど、もう誰も手にとってはくれないんだなぁと悲しい気持ちになりました。2期のエンディングでは笑顔で受け取っていたのにね。
2期感想記事で、「(受け取る人が毎回変わるから)最後はこの羽根を誰も受け取らないエンディングがあるんじゃないの」と言ったこともありましたが、実際に誰も受け取らないのを見ると悲しいです。μ'sのやるべきことはすべてやり、全員が満足した結果であって、とても素晴らしいことなのに、です。
私は、μ'sの……いや、彼女たちの…………幸せな未来を願ってやまない者だ…………それを再確認出来た良い楽曲だった……。
「さにーでい!」の振り付けに出てくる「3」と「2」、最後に指一本を立てて作る「1」でカウントダウンになっているというのもとてもかっこいいですよね。(SUNNY DAY SONG項の最後の画像参照)よくよく考えると曲名にもこれまで指を立ててそれを掲げるような振り付けは「僕らは今のなかで」のラストなんかでも登場しているので気づきにくいところですよね……何度も何度も「3」と「2」を繰り返し続けるあの楽曲は、終わりたくないという彼女たち、終わってほしくないという私たち、それぞれの気持ちに迫るものがあります。
また、ラストライブの曲名である「僕たちはひとつの光」が「1」であるという考え方も出来ますね。そうなると、一番最初の曲に「数えて」なんて単語が入っているのも、それっぽくて腹が立ちますよね、やってくれたな、と……。彼女たちはきっと、「光」であり、「星」なんだろうなと思います。
5.μ'sの各キャラクターについて
6.メモ書き
☆希がにこの靴を電線に引っ掛けるシーン
このシーン、希は「ハロウィンの子供のいたずら」と説明していて、特に疑問も持たず「のんたんは物知りだなぁ」と思ってみていたんですけど、調べてみると「ギャングの縄張り」とか「この場所で人が死んだ」とか「麻薬密売所」といった悪いうわさ話がどんどん出てきます。
これを受けて、「穂乃果以外の全員が死亡している世界」という過激すぎる説が浮上してきました。最近のアニメでよくある「主人公が何かを果たすためにひたすら世界をループする」というものです。未来の穂乃果とされるシンガーが「今は一人で活動している」話を第3節で取り上げましたが、その理由ははっきりしていません。もし仮説として最悪である「死別」が理由であるとするならば、強引ではありますがこの辺りには合点がいきます。天気を晴れに変えたり出来る主人公なので、ループしていてもおかしくはないと思います。もしくは晴れるタイミングを事前の世界で知っていた、というような解釈に落とすことも出来ます。
何にしても、この説ってすごく面白いですよね。「は?今までのラブライブ!なんなん???」って感じで怒りさえ覚えますけど。
全体的に夢や幻といった描写が多い作品なので、前売り券が余っていてしょうがないという人がいれば、謎のシンガーを見て「他の子は全員死んだんだよな……」と心を痛めてみてください。オススメはしません。