逃げ切り他殺と後追い自殺
ワンボックスカーにみんなで乗り込んだ。
視界の開けた明るい道路を跳ねながら走る。
子供たちを途中で降ろして、高速道路に入る。
サービスエリアで談笑。
トンネル。
気がつけば、運転している私以外は誰もいなくなっていた。
トンネルの後ろはまだ明るい。
慌てて急ブレーキを踏んだ。
幸い他に車はいなかった。
トンネルから出ると、信号機の無い交差点に出てきた。
夢だと思った。
交差点が、高速道路にあるわけがない。
そんなことくらい、知っている。
目の前には、タイヤが無い自動車と、交差点のシミだけが残されていた。
ガソリンタンクから、透明な液体が溢れ出ていた。